コラム-2011.10.02 阿部勤自邸

COLUMN / コラム 前のページ<>次のページ

2011年10月2日
念願叶い、ついに憧れの【阿部勤自邸1983】にお邪魔することができました。
阿部さんは坂倉事務所の大先輩、でも私がいた頃にいらっしゃったわけもなく、阿部さんと面識のある先輩に「阿部邸を訪れる機会があったら是が非でも声を掛けて!」とお願いしていたところ、「プロシュットがあるから家でワインパーティーをしよう」と願ったりかなったりのお誘いが阿部さんからあったとかで、緊張気味で馳せ参じました。
まずは外から、住宅街の一角に森があリ、そのすみ切り部分だけコンクリートの外観が垣間みられるという慎ましい佇まい。続いて中へ、ほとんど丸暗記しているプランがそこに広がっているわけですが、予想通り暗い…。これ、悪い意味では全然なくて、この暗がりが身体的な居心地の良さを醸し出していると思うのです。そしてキッチン、コージーコーナー、アトリエ奥のデイベッドなど、建築雑誌の写真に穴が開くほど凝視したシーンが現実にそこに・・・感無量!
正直言えば私がかつて志していた明るく開放的な空間では無いのですが、ある時期からこの住宅が気になりだして、そして今では私の最も好きな住宅のひとつとなっています。並んで好きなバラガン自邸やシーランチコンドミニアムにも通じるものが…。青木淳が新建築臨時増刊の「日本の建築空間」にこの住宅の掲載を推したという理由が私には分かります。
ついでに言うと、阿部さんには建築家、というかものづくりをするものとしてその姿勢にもかなり影響を受けています。独立して、HPに載せる設計理念のコメントをまとめる際、阿部さんの書いた文章を熟読しながら「そうそう、こういうことなんだよな、俺が目指しているのは・・・」と勝手に感慨にふけたことを思い出します。阿部さん私はあなたについていきます!

阿部勤邸 キッチン阿部勤邸 キッチン阿部勤邸 外観阿部勤邸 リビング阿部勤邸 コージーコーナー阿部勤邸 デイベッド阿部勤さんと
クリックすると拡大します↑