2008年10月23日
大ファンである柳宗理のカーサブルータス特別編集号が出ました。早速購入したところ、首都圏近郊にも柳さんのアーバンデザインが数多くあることを知り、中でも特に密度の濃い横浜方面へ行ってみることにしました。
見つけることができたのは横浜市営地下鉄の各駅のホームにある、背もたれサポーター、ベンチ、消火栓、水汲み場、野毛山公園のサインや吊り橋、横浜駅の壁画など。いずれも目立たずただそこに在るという感じで、世界的プロダクトデザイナーの作品ということを知らなければ素通りしてしまうものばかりです。ただ、例えば背もたれサポーターはお尻のところのパイプが当りのやわらかい楕円形になっていたり、ベンチは高齢者利用を重視した（？）のか通常より座面が少し低かったり、細かな配慮が隅々まで施され、そしてよく見ればそこには柳流の温かみのある曲線が忍び込められているという感じです。
唸りつつ帰宅。以前から持ち合わせていた柳さんの文献を改めて読み返してみると、ここ最近、自分自身がデザインについて考えたことと共通する思想が何と多いことか！以下、柳宗理「デザイン考」からの引用。「本当のデザインは生まれるもので、つくりだすものではない」「デザインは流行と戦うところにあるのだ」「アノニマス・デザインは今日の汚れたデザイナーが到底タッチできないほど、すばらしく神聖なものである」なんて、まさしく自分と同意見！・・・。すみません、ちょっとはしゃぎすぎ＆偉そうでした。
※柳宗理さんは2011年12月に逝去されました。私も微力＆勝手ながら、柳さんのデザインポリシーを継承できればと思ってます。ご冥福をお祈りします。
横浜市営地下鉄弘明寺駅の背もたれサポーター
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